賃貸のお部屋でできてしまった小さな穴やすきま。
「自分で直したいけれど、退去のときに請求されたらどうしよう…」と不安になりますよね。
この記事では、
- 賃貸でも使いやすいすきまパテの選び方
- 跡を残さない施工のコツ
- 原状回復でトラブルを防ぐポイント
を、初心者さんにもわかりやすくやさしい言葉で解説します。
まず結論|賃貸で使うならこのタイプを選べば安心

賃貸で使うすきまパテは、次の3つを満たすものがおすすめです。これを基準に選ぶだけでも、退去時のトラブルをぐっと減らすことができますよ。
- 硬くなりすぎない(弾性がある)
- 上から塗装できる
- 削ったり剥がしたりしやすい
まず大切なのは、「完全に石のように固まらないこと」です。少し弾力があるタイプなら、万が一やり直しが必要になったときも比較的きれいに補修し直せます。
次に、塗装できるタイプかどうかも確認しましょう。壁紙の色に合わせて上からなじませることができると、補修跡が目立ちにくくなります。
そして、削ったり剥がしたりしやすいことも重要なポイントです。退去前に微調整したいときや、補修をやり直したいときに、壁を傷つけにくくなります。
反対に、完全硬化して石のように固まるタイプは注意が必要です。見た目はきれいに仕上がっても、剥がすときにクロスごと傷めてしまうことがあります。結果として、張り替え費用が発生してしまう可能性もあるため慎重に選びましょう。
「どれを選べばいいかわからない…」という方は、初心者向けと書かれた補修用パテや、室内壁用と明記されている製品を選ぶと失敗しにくいですよ。レビューで“賃貸でも使えた”という声があるものを参考にするのも、ひとつの安心材料になります。
そもそも賃貸で「すきまパテ」は使ってもいい?

結論からお伝えすると、元に戻せる範囲の補修であれば問題になりにくいとされています。
ただし、「何をしても自由」というわけではありません。賃貸住宅では“原状回復”という考え方があり、退去時には入居時に近い状態へ戻すことが基本になります。
そのため、自己流で大きく加工してしまうのではなく、あくまで“目立たなく整える補修”という意識が大切です。
まずは必ず契約書を確認しましょう。
契約書で確認したいポイント
- 原状回復の範囲
- DIYの可否
- 画びょうやビス穴の扱い
- 特約事項の有無
契約書の中に「軽微な補修は入居者負担」「壁への加工は禁止」などの記載がある場合もあります。特約がある場合は、その内容が優先されることもあるため注意が必要です。
小さなピン穴程度なら通常使用の範囲とされることが多いですが、ビス穴や広い欠けは扱いが変わることもあります。自己判断せず、迷ったら管理会社に確認するのが安心です。
「確認するのは少し気が引ける…」と感じるかもしれませんが、事前に相談しておくことで、後のトラブルを防ぐことができます。
バレるケース・バレないケースの違い
退去立ち会いでは、意外と細かい部分までチェックされます。
- 色ムラがある
- 表面が凸凹している
- 壁紙が浮いている
- 不自然に盛り上がっている
このような状態だと、補修跡として指摘されやすくなります。
一方で、壁色になじみ、平らに整っている場合は、ほとんど気づかれないこともあります。
つまり、「使ったかどうか」よりも「仕上がり」が重要なのです。
大切なのは、急いで作業しないこと。そして、少しずつ丁寧に仕上げることです。
不安がある場合は、施工前・施工後の写真を残しておくと安心材料になりますよ。
原状回復費用はいくら?請求されるケースと相場

「もし失敗したら、いくら請求されるの?」というのは、とても気になりますよね。
実際の原状回復費用は、傷の大きさや範囲、壁材の種類によって大きく変わります。
たとえば、
- 小さなピン穴の部分補修 … 数千円程度
- ビス穴や小さな欠けの補修 … 5,000円〜15,000円前後
- クロスの部分張り替え … 1万円〜3万円程度
- 一面すべて張り替え … 3万円以上になることも
このように、範囲が広がるほど費用も高くなる傾向があります。
もし補修に失敗してクロスの張り替えになると、
- 数千円〜数万円
かかることがあります。特に、同じ壁面に複数箇所の傷がある場合や、色合わせが難しい場合は「一面張り替え」と判断されるケースもあります。
また、壁紙の下地(石膏ボード)まで傷んでいると、さらに補修費用がかかる可能性があります。
ただし、すべてが高額請求になるわけではありません。経年劣化として扱われる部分については、入居者負担にならないケースもあります。入居年数が長いほど、クロスの価値は減価償却されるため、全額請求されないこともあるのです。
小さな部分補修なら数千円で済むこともありますが、広範囲になると費用は上がります。
「自分で直すのが不安…」という場合は、無理にDIYせず、事前に見積もりを取るのも一つの方法です。思っているより安く済むこともありますよ。
だからこそ、最初の施工をていねいに行うことが大切なのです。焦らず、慎重に作業することが、結果的に一番の節約につながります。
跡が残らないパテの選び方【失敗しない基準】

「どのパテを選べば安心なの?」と迷ってしまいますよね。
実は、パッケージの見た目や価格だけで選んでしまうと、後から“思っていたのと違う…”と後悔することもあります。
ここでは、賃貸で失敗しないための具体的なチェックポイントを、わかりやすくご紹介します。
シリコン系・アクリル系の違い
- アクリル系:扱いやすく初心者向き。水性タイプが多く、においも比較的少なめ。
- シリコン系:防水性が高く、水まわりに強い。ただし塗装できない場合がある。
室内の壁補修なら、塗装可能なアクリル系が使いやすいでしょう。乾燥後に壁色になじませたい場合は、「塗装可」と表示されているかを必ず確認してください。
一方で、キッチンまわりや湿気が気になる場所では、防水性のあるタイプが向いていることもあります。ただし賃貸の場合は、剥がしやすさも重視しましょう。
剥がせるタイプかどうかを確認する
賃貸では「やり直せるかどうか」がとても重要です。
パッケージに「硬化後も弾力あり」「補修用」「室内壁用」などの表記があるものは、比較的扱いやすい傾向があります。
反対に、「強力接着」「永久固定」といった表記があるものは注意が必要です。しっかり固定できる反面、退去時に剥がすのが大変になることがあります。
色なじみのしやすさも大切
白い壁でも、実は真っ白ではないことが多いです。
少しアイボリーがかっていたり、模様が入っていたりするため、補修部分だけ浮いてしまうこともあります。
可能であれば、乾燥後に軽くタッチアップできるタイプを選ぶと安心です。小さな筆やスポンジでやさしくなじませるだけでも、見た目はぐっと自然になります。
耐久性はどれくらい?
室内であれば数年単位で持つことが多いですが、湿気が多い場所や直射日光が当たる場所は劣化が早まります。
ひび割れや変色、浮きが出てきたら再補修のサインです。早めに対応することで、補修範囲を小さく抑えることができます。
「長持ちすること」も大切ですが、賃貸では“きれいに元へ戻せること”のほうがもっと重要です。
価格だけで選ばず、
- 扱いやすさ
- 剥がしやすさ
- 塗装可否
- 室内向きかどうか
この4点をチェックしながら選んでみてくださいね。
NG施工例|これをやると請求リスクが高まります

「せっかく直したのに、逆に目立ってしまった…」というケースは意外と少なくありません。
ここでは、賃貸で特にやってしまいがちなNG例をまとめました。事前に知っておくだけでも、失敗をぐっと防ぐことができます。
- 厚く盛りすぎる
- 乾く前に触る
- 色合わせをしない
- 養生せずに周囲を汚す
- 一度で完璧に仕上げようとする
厚く盛りすぎる
穴を一気に埋めようとして、パテをこんもりと盛ってしまうのはよくある失敗です。
厚盛りすると、乾燥後にひび割れたり、中央がへこんだりしやすくなります。また、不自然な盛り上がりは光の加減で目立ちやすく、退去時に指摘される原因になります。
少しずつ、薄く重ねるのがきれいに仕上げるコツです。
乾く前に触ってしまう
「ちゃんと固まったかな?」と気になって触ってしまうと、表面がデコボコになってしまいます。
@乾燥時間は製品ごとに異なりますので、必ず説明書を確認しましょう。焦らず待つことが、結果的に一番きれいな仕上がりにつながります。
色合わせをしない
補修部分だけ真っ白になってしまうと、遠目でも違和感が出てしまいます。
可能であれば、乾燥後に軽く色をなじませるひと手間を加えましょう。小さな筆やスポンジでやさしく叩くように塗ると、自然に見えやすくなります。
養生をしない
マスキングテープで保護せずに施工すると、周囲の壁紙にパテが付着してしまうことがあります。
はみ出した部分を無理に拭き取ろうとすると、かえって壁紙を傷める原因になります。@作業前の養生は、ほんの数分でも必ず行いましょう。
一度で完璧に仕上げようとする
初心者さんほど「一回で終わらせたい」と思いがちですが、実はそれが失敗の原因になることもあります。
@小さな穴なら1〜2回、少し大きめなら2〜3回に分けて補修するほうが、仕上がりは自然です。
無理をせず、丁寧に重ねること。それが請求リスクを減らす一番の近道です。
跡を残さない基本施工手順(初心者向け)

「ちゃんとできるかな…」と不安になりますよね。
でも大丈夫です。ポイントを押さえて順番どおりに進めれば、初心者さんでもきれいに仕上げることができます。
ここでは、跡を残さないための基本手順を、より具体的にご紹介します。
① 下準備(ここがいちばん大切です)
- ほこりやゴミをやわらかい布で取り除く
- 必要に応じて軽く乾拭きする
- マスキングテープで周囲を養生する
実は、仕上がりのきれいさは“下準備”でほとんど決まります。
表面にほこりが残っていると、パテがうまく密着せず、後からはがれやすくなることがあります。
また、養生をしておくと、はみ出しても安心です。数分のひと手間が、あとで大きな差になります。
② 充填(少しずつ、やさしく)
ヘラを使って、穴の奥に空気が入らないよう、やさしく押し込みます。
このとき、一度に大量に盛らないことがポイントです。
表面よりほんの少しだけ高い位置まで充填し、ヘラでなだらかに整えましょう。
大きめの穴の場合は、1回で埋めようとせず、薄く重ねるイメージで2〜3回に分けると、ひび割れを防げます。
③ 乾燥(焦らないことが成功のコツ)
製品の説明に書かれた乾燥時間を必ず守りましょう。
表面だけ乾いているように見えても、中が乾いていないことがあります。
途中で触ったり削ったりすると、へこみやムラの原因になりますので、しっかり時間を置いてください。
湿気が多い日は、通常より乾燥に時間がかかることもあります。換気をしながら様子を見ると安心です。
④ 仕上げ(目立たせないひと工夫)
完全に乾いたら、必要に応じて細かい紙やすりで軽く整えます。
強くこすらず、なでるように整えるのがコツです。
そのあと、壁色に合わせてタッチアップすると、さらに自然な仕上がりになります。
スポンジで軽く叩くように色をのせると、周囲となじみやすくなりますよ。
⑤ 念のための記録
施工前・施工後の写真を撮っておくと、万が一のときの安心材料になります。
作業日もメモしておくと、「いつ補修したか」が分かりやすくなります。
焦らず、ひとつずつ丁寧に。
その積み重ねが、退去時の安心につながります。
穴・すきまサイズ別の対処法

穴やすきまは、大きさによって適した対処法が変わります。
「とりあえず埋めれば大丈夫」と思いがちですが、サイズに合わない方法を選ぶと、かえって目立ってしまうこともあります。
ここでは、よくあるサイズ別に、失敗しにくい補修方法をご紹介します。
ピン穴(画びょう・細い釘の跡)
もっとも多いのが、この小さなピン穴です。
この程度であれば、少量のパテを指先や小さなヘラでやさしく押し込むだけで十分です。
表面を軽くならし、乾燥後にほんの少しだけ整えれば、ほとんど目立たなくなります。
強く押し込みすぎると周囲がへこんでしまうことがあるので、「やさしく埋める」を意識しましょう。
ビス穴(少し大きめの穴)
カーテンレールや棚の固定でできたビス穴は、ピン穴よりも深さがあります。
この場合は、穴の奥までしっかりパテを入れることが大切です。
少し多めに充填し、乾燥後に軽く削って平らに整えます。
一度で埋めきれない場合は、2回に分けて重ねるとひび割れを防げます。
また、周囲のクロスが浮いていないかも確認してください。浮きがある場合は、先に整えてから補修しましょう。
数センチの欠け・すきま
家具のぶつかり跡などで、壁が少しえぐれてしまったケースです。
この場合、一度に大量のパテを入れると乾燥後に縮んでしまうことがあります。
下地が見えている場合は、まず薄く埋めて乾燥させ、その上からもう一度重ねる方法がおすすめです。
表面だけをきれいに整えようとせず、「内側から少しずつ埋める」イメージで進めましょう。
エアコン配管まわりや細長いすきま
壁と配管の間にできた細長いすきまには、やわらかめのパテが向いています。
指やヘラで押し込み、余分な部分を拭き取るように整えます。
防虫やすきま風対策としても活用できますが、将来取り外す可能性がある場合は、完全硬化タイプは避けたほうが安心です。
DIYの限界ラインはどこ?
・手のひらより大きい範囲
・下地の石膏ボードが大きく崩れている
・壁紙が広範囲にめくれている
このような場合は、無理をせず業者に相談するほうが安全です。
小さな補修であればDIYで十分対応できますが、範囲が広がると費用もリスクも高まります。
「これは自分で直せる範囲かな?」と迷ったときは、慎重に判断することが大切です。
無理をせず、できる範囲で丁寧に。
それが賃貸トラブルを防ぐいちばんのコツです。
失敗したときのやり直し方法

「思ったより目立ってしまった…」「少しへこんでしまった…」
そんなときも、あわてなくて大丈夫です。パテ補修は、やり直しができるのが大きなメリットです。
ここでは、状況別にやり直しのポイントをご紹介します。
① 盛りすぎ・凸凹になってしまった場合
完全に乾いてから、細かい紙やすり(目の細かいもの)でやさしく削ります。
力を入れすぎると周囲のクロスまで傷つけてしまうので、「なでるように」がコツです。
表面が平らになったら、必要に応じてごく薄くパテを重ね、再度乾燥させます。
② へこんでしまった場合
乾燥後に中央がへこんでしまうことがあります。
この場合は、へこんだ部分に少量ずつパテを足して、薄く整えましょう。
一度で埋めようとせず、必要なら2回に分けて重ねるときれいに仕上がります。
③ 色が浮いてしまった場合
補修部分だけ白く目立つときは、タッチアップでなじませます。
スポンジや小さな筆で、周囲となじませるように軽く叩き塗りすると自然になります。
いきなり広範囲を塗らず、少しずつ様子を見ながら調整しましょう。
④ うまく固まらなかった場合
湿気や厚塗りが原因で、なかなか固まらないこともあります。
その場合は、しっかり乾燥させてから、やわらかい部分を取り除き、薄く塗り直します。
換気をしながら作業すると乾燥が早まります。
⑤ 古いパテをきれいに取り除く方法
固まったパテは、カッターやヘラを使って慎重に削り取ります。
刃を深く入れすぎず、表面だけを少しずつ削るのがポイントです。
無理に一気にはがそうとすると、壁紙を傷める原因になります。
その後、再度うすく充填し直せばきれいに仕上がります。
失敗しても、やり直せば大丈夫。
焦らず丁寧に整え直せば、ほとんど分からない仕上がりに近づけますよ。
よくある質問(Q&A)

ここでは、実際によく聞かれる疑問をまとめました。不安をひとつずつ解消していきましょう。
退去前に剥がせば大丈夫?
跡が残らなければ問題になりにくいですが、無理に剥がすと壁紙を傷めることがあります。
とくに強力タイプのパテは、クロスごとめくれてしまうこともあるため注意が必要です。
退去直前にあわてて作業するのではなく、余裕をもって状態を確認し、必要なら早めに調整しておくと安心です。
管理会社にバレますか?
自然な仕上がりなら気づかれないこともありますが、色ムラや盛りすぎは目立ちます。
立ち会い時は、光の当たり方によって凹凸が見えやすくなることもあります。
「バレるかどうか」よりも、「見ても違和感がないか」を基準に考えると失敗しにくいですよ。
ていねいな施工が何より大切です。
どのくらいで完全に乾きますか?
製品によって異なりますが、表面乾燥は数時間、完全乾燥は半日〜1日程度が目安です。
湿度が高い日はさらに時間がかかることもあります。
乾燥が不十分なまま触ると、へこみやムラの原因になるため、余裕をもって待ちましょう。
パテは何年くらい持ちますか?
室内であれば数年単位で安定することが多いですが、湿気や衝撃が多い場所では劣化が早まります。
ひび割れや浮きが見えたら、早めに補修し直すと大きなトラブルを防げます。
画びょうの穴も埋めたほうがいい?
小さな画びょう穴は通常使用とされることも多いですが、数が多い場合は目立つことがあります。
気になる場合は、軽く埋めて整えておくと安心です。
補修したことは正直に伝えたほうがいい?
基本的には、きれいに仕上がっていれば特別に申告する必要はないケースが多いです。
ただし、心配な場合や大きめの補修を行った場合は、事前に相談しておくとトラブル回避につながります。
不安を抱えたままにせず、疑問があれば早めに確認することが安心への近道です。
まとめ|賃貸で跡を残さないためのチェックリスト

- 契約書を確認した
- 適したパテを選んだ
- 養生をした
- 薄く重ねて施工した
- 写真を記録した
このポイントを守れば、賃貸でも安心して補修できます。
焦らず、ゆっくり、ていねいに。
それがきれいに仕上げる一番の近道です。
